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つんく♂さんに聞く「モー娘。」結成10年


2007年05月03日11時50分




 女性アイドルグループの「モーニング娘。」が今年、結成10年を迎える。オーディション番組の落選組が集まって始まり、メンバーを入れ替えながら国民的アイドルグループと呼ばれるまでになった。なぜこんなに続いたのか、プロデューサーのつんく♂さんらの話から考えてみた。

 モーニング娘は97年に5人で結成、99年に「LOVEマシーン」がミリオンセラーとなり、大ブレーク。現メンバーは11人だが、これまで25人が在籍した。さらに卒業組らを合わせ、現在45人の女性歌手が「ハロー!プロジェクト」なる一団を構成。CDの売り上げこそ頭打ち気味だが、底堅い人気を備えている。

 デビュー当時は女性アイドル歌手は低調で、「冬の時代」といわれていた。

 なぜ10年も続いたのか。音楽評論家の能地祐子さんは「それまでのアイドルは5年もやったら終わりが定石で、受け手も送り手もそれを楽しんでいた。モーニング娘は最初は長く続けるつもりはなかったようだが、いったん成功を収めてからはアイドルの定石とは違う、むしろニューミュージックに近い、長く続ける戦略をとった」

 コラムニストの中森明夫さんは、現在のようなアイドルは70年代、南沙織で始まり、ピンク・レディーで完成したとみる。やがて受け手もアイドルが虚構であることを承知で楽しむようになる。小泉今日子が「アイドルはやめられない」と歌ったのは85年だった。

 モー娘のメンバーへのインタビューを手がけている能地さんは彼女たちの印象を「団体競技のスポーツ選手のよう。仲もチームワークもいいが、お互いライバルとして常にストイックに競いあっている」と話す。

 加入、成長、卒業と、生身の女の子たちが描く、移ろう「物語」が、またファンを引きつける。アイドルというシステムの作り込みがより精密になっている、といえる。「お約束」を楽しむプロレスから、「リアル」を売り物にする総合格闘技に人気が移っているのにも、どこか重なる。

 歌や踊りが必ずしもうまくないのに人気を集めるアイドルは、欧米にはあまり見あたらない。なぜ日本にはアイドルがいるのか。

 稲増龍夫『アイドル工学』(89年)などが指摘するように、政治の季節も高度成長も終わり、若者たちを駆り立てる大きな物語が消えたとき、より身近な関心の対象としてアイドルは現れたといわれる。カリスマ性を備えた映画スターから、テレビサイズのアイドルへの移行でもあった。

 普通の女の子の気配を残し、過去のアイドルに比べ鍛えられたパフォーマンスを見せるモー娘は、一つの到達点なのかもしれない。

 中森さんは新刊『アイドルにっぽん』(新潮社)で憲法1条「天皇は、日本国の象徴であり」の「象徴」を「アイドル」と読み替えている。天皇が神から人間になったように、スターからアイドルの時代になった今、日本は「世界のアイドル」「かわいいだけの国」になるべきだ、と論じている。









 「不均衡から美しさ生まれる」 つんく♂さんに聞く

 ――国民的アイドルグループと呼ばれるまでにするのに、秘策はあった?

 アイドルというのは誰かが消費するもので、僕らが作るものではない。形だけ作ろうとするから、失敗するんです。

 ――メジャーデビュー曲の「モーニングコーヒー」は懐かしささえするアイドルポップスでしたね。

 あのころは時代が少しハード志向。悲しさや激情が求められていたが、過剰気味だった。そこにだれが食べてももたれない和風のデザートを提供したんです。

 ――加入と卒業を繰り返してきたのは。

 新しい子が入ると、ピカソの絵じゃないけど、不均衡から美しさ、哀愁が生まれる。上の子はどんどんしっかりしてきて、自律に任せられる。アメーバ経営」という言葉があるけれど、そんな感じです。

 ――新人を入れるとき、必ずしも才能がある子を選ばなかったそうですね。

 欠点を乗り越えようとする表情やパフォーマンスに色気が出る。女性スポーツ選手が化粧もしていないのに、プレー中すごく美しく見えるのと同じかな。

 ――最近、中国出身の2人を新加入させました。

 アジア圏を網羅しないと日本の音楽文化を世界に持っていけない。10年にして外に出る時期になった。

 ――これからは。

 宝塚歌劇団は十数人で始まって、大きくなった。だったらうちらもなれるんじゃないか。ビジネススキームはできあがっている。あとはどんなハプニングが起きるか緊張させている状態。なんかの拍子に突然変異を起こしたいんです。